なぜ野球少年が、空手をはじめたのか?―あるお母さんの本当の願いを通して見えた、空手の価値とは? | 正道会館 靭優会 | 愛知県日進市赤池の空手道場

なぜ野球少年が、空手をはじめたのか?―あるお母さんの本当の願いを通して見えた、空手の価値とは?

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最近、当道場に新しい仲間が加わりました。

小学5年生の男の子で、すでに地域の野球チームに所属している子です。

実は、この子が道場に来てくれたきっかけは、野球チームの仲間の紹介でした。

そのチームメイトは、もともと当道場に通っていて、心も体もたくましく成長していた子。

お母さんはその姿を見て「うちの子も、あんなふうになれたらいいな」と感じたそうです。

おためし稽古の日、お母さんと少しお話をする機会がありました。

「前から空手には興味があったんです。でも、どこで習えるのか分からなくて……。ちょうど野球チームの子がこちらで空手を習っていると聞いたので、思い切って来てみました。」

その会話の中で、印象に残ったのはお母さんの次の2つの言葉でした。

もくじ

お母さんの2つの願い

  • 空手を通して体幹を強くして、野球のパフォーマンスを上げたい
  • 野球のときに声が出せないので、空手を通して声を出せるようになり、気持ちを強くしてほしい

どちらも、とても具体的で、親としてわが子をよく見ている言葉です。

体の中心を安定させる「体幹」も、気持ちの強さや声の力も、たしかに野球のパフォーマンスに直結します。

けれどよく考えてみると、体幹を鍛えることも、声を出す練習も、本来は野球の練習の中でも可能です。

それでも、なぜこのお母さんは、あえて空手を新たに習わせようと思われたのでしょうか?

野球チームへの「不満」ではなく、「限界」への気づき

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このお母さんが感じているのは、決して「野球チームへの不満」ではありません。

むしろチームの指導者を尊敬し、感謝していることが伝わってきました。

ただ、同時にこうもおっしゃっていました。

「チームの中だと、どうしても一人ひとりを細かく見てもらうのは難しいですよね。うちの子は控えめな性格なので、声を出さないまま練習が終わってしまうことが多くて……」

この言葉に、お母さんの“本音”がにじんでいました。

野球チームは、技術指導を中心に、大勢の子どもたちをまとめて指導する場です。

どうしても、個々の性格や心の状態にまで細かく寄り添うことは難しいのが現実です。

結果的に、元気な子・声が大きい子は目立ち、指導者の印象にも残りやすい。

一方で、控えめな子や自信のない子は、チームの中で“ただそこにいるだけ”になってしまう。

お母さんは、その姿を何度も見てきたのでしょう。

「このままでは、うちの子は“変わるきっかけ”をつかめないかもしれない」

そう感じられたのだと思います。

「声を出せ!」では変わらない子どもの心

もうひとつ印象的だったのは「声が出せない」という悩みです。

野球チームでも「もっと声を出せ!」とよく言われるそうです。

けれど、声が出せない子は、「出したくない」のではなく“どう出せばいいか分からない”“恥ずかしい”“自信がない”という心の壁を持っています。

そこに「出せ!」とだけ言っても、実は心は動きません。

それどころか「できない自分」を意識して、ますます声が出せなくなることさえあります。

実は、空手の稽古では、この「声」と「心」の関係をとても大切にします。

  • 気合を入れて技を出すこと
  • 礼ではじまり礼で終わること。
  • 型のひとつひとつに気持ちを込めること

これらはすべて「自分の内側から声を出す練習」です。

怒られて出す声ではなく、“自分の意志で出す声”を経験する。

その積み重ねが、やがて自信に変わり、野球でも自然に声が出せるようになっていきます。

「もうひとつの教育環境」としての空手

お母さんにとって空手道場は、野球と同じ「スポーツ教室」ではなく、もうひとつの教育環境なのだと思います。

野球では、チームワークや技術を学ぶ。

空手では、自分と向き合うこと、礼儀、集中力、そして心の強さを学ぶ。

どちらが上、下ということではなく「両方あるからこそ、子どもがより豊かに育つ」と感じておられるのだと思います。

そして、その思いを後押ししたのが、チームメイトの紹介でした。

「○○くんが通っているなら安心」、「あの道場の先生なら信頼できる」。

人を通じて感じる“安心感”が、最後の決め手になったのだと思います。

空手で育てたいのは、「勝てる選手」ではなく、「自分に勝てる人」

私たちは、空手を通して単に「強い選手」を育てたいわけではありません。

私たちが育てたいのは「自分に勝てる人」です。

  • 型の稽古を通して、正しい姿勢を保つ
  • 大きな声で礼をし、気合を出す
  • 最後まであきらめずにやりきる

これらは一見地味な動作に見えますが、その中で「自分の弱さと向き合う力」、「つづける力」、「心を整える力」が育っていきます。

それは必ず、野球にも、勉強にも、日常生活にもつながっていきます。

最後に

お母さんが求めているのは「野球がうまくなること」だけではありません。

  • 自分に自信を持ち、声を出し、仲間の中で堂々と立てる子になってほしい
  • 結果よりも、努力の過程を大切にできる人になってほしい
  • 強くて、優しい心を持った人に育ってほしい

その願いを叶える場として、空手道場を選んでくださったのだと思います。

私たちは、その期待にしっかり応えたいと思います。

そして、空手を通して、野球でも人生でも生きる「真の強さ」を身につけてほしい。

今日も、そんな思いを込めて、子どもたちと向き合っています。

声を出す力、心を強くする力は、野球と空手どちらの道にも通じています。

そのうえで空手は、スポーツのための習いごとではなく、生きる力を育てる場もあると私たちは考えております。

おためし稽古に参加してみませんか?

もしあなたが空手を通じて、人生を豊かに生きる「真の強さ」を育みたいとお考えなら、当道場のおためし稽古に参加してみませんか?

当道場の生徒さんは、稽古を体験されてから入会を決められる方もいらっしゃいます。

空手がまったくはじめてという方も、難しいことはありませんのでご安心ください。

まずは空手を、当道場の稽古を体験してみていただきたいと思います。

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